賃貸物件を管理をする上で、本当に様々なクレームを受けます。その中で一番多いのは、”騒音問題”です。
賃貸物件とは切っても切れない、そして集合住宅である以上、どの物件でも起こりうる可能性がある、それが騒音問題。
こじれにこじれると警察沙汰になり、弁護士を通して訴訟となり、それでも解決しなければどちらかが退去するしかないという、正直一番面倒くさいトラブルです、騒音問題。
一口に騒音問題と言っても段階があります。
これくらいなら全然大丈夫。クレームを入れる方も入れられる方も、それぞれ自覚があって、大事にはならない。大抵は一言「気を付けてくださいねー」と伝えるだけで解決します。
ハードなのになると、相手の生活音全てが気に入らなくなってくる。この状態になってしまったらほぼ手遅れに近い。管理会社は間に挟まれながら、入居者間で戦争が勃発するのだ…。
これがまぁ辛い。立場上、どちらの味方になることも出来ず、どちらかに折れてもらうしかない。そして長引く。
でも本当は、客観的にみると片方が明らかにおかしいことが多い。かなり神経質だったり、うつ病に近い状態だと感じることがよくある。
ただ、それをそのまま伝えたとしても何も解決はしないし、「お前はあっち側の味方なのか!」と火に油を注ぐだけで、余計にこじれてしまいかねない。
と願うばかりである。
さてそんな騒音問題も、騒音の内容によって気になる人もいれば、気にならない人もいるようで。
問題が起こったのは、住宅街にある単身用の物件。クレームの連絡を入れてきたのはその物件の住人、ではなく、近隣のファミリータイプの物件にお住いの方からでした。
いわく、
あえぎ声が聞こえる。年頃の子どもがいるから何とかしてほしい!
とのこと。
(心の声)でもたまたまじゃないんですかねぇ?
ちょくちょく聞こえるんだ!せめて窓を閉めてやってくれ!!
なるほど、それはちょっと嫌かもしれない…。
その物件は、どちらかと言えば男性用の単身物件で、実際の入居者もほとんどが男性。もし自分がその物件に入居していて、あえぎ声が聞こえてきてもさほど気にしないような気がしますね。
ちょくちょく聞こえてきたとしても、
お盛んなこって。
と思うくらいだろうか。
例えば、近くの工場からガッシャンガッシャンと聞こえてきたら嫌だけど、学校の部活や体育、チャイムの音が聞こえてきてもそんなに苦にならない、という人は多いと思います。
極論は人によるですが、今回のように”単身者は気にしないけどファミリーは気にする”という属性によって違うこともあるんですね。
最終的にどうなったかというと、クレームを入れてきた方が
あえぎ声はたぶん〇〇号室の人!
と教えてくれたので(それもちょっと怖いが)、直接注意しました。さすがにバツが悪かったのか、どうやら改善したようで。
気になったことが一つ。
実はその部屋、契約者が親で、入居者が子どもというパターンでした。しかも、親=父親、子ども=娘、です。
契約したのが数年前で、入居者の娘さんの電話番号が代わっており連絡出来ませんでした。となると契約者の父親に連絡するしかないわけで、少々複雑な気持ちになりましたがきちんと伝えました。
父親はというと、
そうですか、申し訳ない。娘に伝えます。
淡々としてました。心中お察しするよ、お父さん。
とりあえずまだ退去してないし、そのクレームも来なくなったから、まぁ良しとします。家族間でのトラブルもなかったんでしょうかね。娘さんもだけど、お父さんのメンタルの方が心配になったよ…。
あえぎ声にはご注意を。
早く解決してくれ!
どっちか(出来れば原因と思われる方が)早く退去してくれ!