部屋探しをするときは、何に気を付けたらいいの?何かポイントはあるの?
転勤が多い仕事ではない限り、人生において部屋探しをする機会は2~3回という方がほとんどではないでしょうか。
借りる地域や属性(単身か家族かなど)、家賃、その他様々な要因によって探し方は変わります。また、全く同条件で探すにしても、前回の部屋探しから何年か経っていたら様相が変わっているということも全然有り得ます。
つまり大多数の方は、お部屋探しの素人さんと言えるでしょう。
この記事は、お部屋探しの「基本のキ」であり「一丁目一番地」です。
賃貸不動産営業歴10年以上で、未だ現役(2022年現在)の私が、家族や友達にアドバイスするならという視点で記事を書かせて頂きました。
この記事をお読み頂ければ、少なくとも不当に損をする可能性は低くなり、お得になることもきっとあるはずです!
お部屋探しを始める前に、ぜひ一度ご確認頂くことをオススメします!!
目次
絶対に知っておいてほしい5つのこと。
この5つです。ででん!
- クチコミは95%参考にならない。
- スーモとホームズを使って自分で調べる。
- 「紹介」をうまく利用する。
- 仲介手数料は必ず自分で計算する。
- 絶対に地元の不動産屋で探した方がいい。
それぞれの内容を記事にしてありますので、詳しくは各記事をご参考下さい。
95%くらいのクチコミは参考にならない。


皆さんは普段、クチコミを参考にしますか?
また、良いクチコミと悪いクチコミのどちらを参考にすることが多いでしょうか?
クチコミを参考にすること自体を否定しているわけではありません。しかし、お部屋探しをする時には正直あまり参考にならないと思います。
例えば良いクチコミが書かれていたとして、そのクチコミはどの営業マンに向けて書かれているか分かりますか?
反対に悪いクチコミが書かれている場合も同じで、どの営業マンを指しているのか、分からないことの方が多いと思います。

まぁ確かに、営業マンを名指しで書かれていることもありますね。
でもその営業マンに担当してもらいたい、もしくは担当してもらいたくないと思っても、あなたを担当する営業マンが誰になるかは実際に問い合わせ・来店してみないと分からないものです。
そして、あなたと営業マンとの相性が良いのか悪いのかも、やはり体感してみないと分かりません。
営業マンに求めるサービスも人によって違うし、出来るサービスも物件や時期によって全く違います。
一番もったいないのは、例えば「アパマンショップは最悪!」と書かれているどこぞのブログやクチコミを見て、「アパマンショップは全部ダメだ」と思ってしまうこと。これはめちゃくちゃもったいないですよ。
※アパマンショップさん、悪い例に出してしまってすみません。ただの例えです。
名の知れた看板、
これらのお店はフランチャイズも多いですからね。
フランチャイズって、同じ看板でも全くの別会社です。方針も給料も全然違います。ただ同じ看板っていうだけ。
直営店が多いエイブルやミニミニでも同じことです。同じ看板で同じ会社だったとしても、他地域のことや他地域の営業マンのことは内部の人間でも分かりませんし、勝手も違うんです。
そもそも地域性がかなり強い業界ですから、他地域の「〇〇という会社は最悪!」という批評なんて当てにならないですよ。気にしちゃダメです。
もちろん「クチコミを参考にしちゃダメ!」というわけではないですが、先入観や偏見を持ちすぎるのはもったいない!ぜひフラットな状態で、その営業マンがあなたにとって有益かどうかを見定めて下さい。
スーモとホームズを使って自分で調べる。

改めて、お部屋探しをされる皆さんにお伝えしたいことがあります。

「営業マンは自分の利益を最優先に考える」ということ。
【物件A】と【物件B】があったとして、
【物件A】営業マンにとって利益の高い物件だけど、お客さんにとってはちょっと微妙。
【物件B】営業マンにとって微妙な物件だけど、お客さんにとってはメリット満載!
こういう時の営業マンは、もちろん考えるまでもなく【物件A】をオススメしようとします。
そこで重要なのは、あなたが【物件B】のことを知っているかどうか。つまり、インターネット(スーモやホームズ)で調べたかどうかです。

この営業マン、良い人そうに見えるし、調べるのも面倒くさいから、もうお任せしちゃおうかな。
これは絶対にダメです。ただの餌食です。
でも調べるのも面倒くさいし、そもそも何をどう調べていいか分からないし…という面倒くさがりな方には、最低限、これだけはやって下さい。

【秘技】調べるフリ。
です。もうこれでいいです。
営業マンの目の前で、「他にないかな~?」って言いながらスマホを見て下さい。
面の皮が厚い営業マンじゃなければ、【物件A】以外も出してくる可能性が少しでも上がります。
でも!
「【秘技】調べるフリ」は、超面倒くさがりさんにだけはオススメしますが、基本的には皆さんきちんと自分で調べて下さいね。
よく分からなくてもいいんです。あなたの直感で構いませんので、良さげな物件を2~3件ピックアップしておきましょう。良い物件かどうかなんて人によって正解が違いますので、ひとまずはあなたの直感に自信を持ちましょう。
とにかく下調べをすること、これが大事です。
下調べは、スーモとホームズ、もしくはどちらかを見ておけばとりあえずOK。
調べ方は、
とりあえずはこの3つを選択して検索しましょう。
「紹介」をうまく利用する。

営業マンは、当然ながら毎月売り上げを作っていかなければなりません。

これが結構大変なんですよ…。
反響や飛び込みで来店されたお客さんをせっせと対応し、一本一本売り上げを積み重ねていきます。その一本一本の売り上げを紐解いていくと、実は営業マンにとって感じ方・捉え方は違います。
同じ一本の売り上げでも、
本当に様々です。当然、対応の仕方も違うわけです。
さてでは反対に、お部屋探しをする場合、皆さんは営業マンにどう対応してほしいでしょうか?

そりゃあ丁寧に対応してほしいですよ。もちろん、そちらも仕事でしょうから利益を出さなきゃいけないことも分かります。
ただ、営業マンの利益優先で物件を紹介してほしくはないし、出来ることなら私にとって優良な物件を紹介してほしい!!
そう、つまり皆さん、特別待遇で対応してほしいということですよね。
分かります。私もそう思います。誰でもそうです。損なんて絶対にしたくない!お得な買い物をしたい!何事もそうでしょう。お部屋探しも同じですね。
じゃあ、営業マンが利益度外視で対応してくれることなんてあるんでしょうか?
この答えは、実は YES! なんです。

あるんです、お客様最優先で対応することが!!
そう、それがまさに紹介のお客様というわけです。
どれだけ細い繋がりでも、営業マンを頼って来てくれたことには変わりませんから、全く接点のない方よりは間違いなく丁寧にご対応させて頂きます。
まぁもちろん、利益度外視レベルは誰から紹介されたかにもよりますけどね…。
【紹介A】自分の兄弟姉妹の友達
【紹介B】友達の先輩の従兄弟
【紹介A】と【紹介B】、どちらの方がよりサービスしてくれそうですか?どちらの方が丁寧に対応してくれそうですか?
どう考えても【紹介A】ですね。
自分との関りがどれくらい強いかによって、利益度外視レベルが決まるというわけです。
ご参考までに、「だしのり的 利益度外視ランキング」を作りました。


やっぱりお金を持っているのは大家さんですからねぇ。大家さんには何かと良くしておかないとさ…(ニヤリ)
お部屋探しを始める時は、ぜひ不動産会社との繋がりを探してみましょう。
特に大家さんとの繋がりですね。
仲介手数料は必ず自分で計算する。

お部屋を借りる時、基本的には仲介手数料を支払わなければなりません。あなたが支払うべき仲介手数料は、簡単に計算出来ます。
そして、実はその仲介手数料には上限があります。

皆さんから頂戴出来る仲介手数料の上限は家賃の50%(税別)です。
これは、宅地建物取引業法(たくちたてものとりひきぎょうほう)という不動産業界の法律に基づき計算されているものです。通称、宅建業法(たっけんぎょうほう)ですね。
※仲介手数料には消費税がかかります。
<計算式=家賃×0.55>
※消費税10%で計算。
本来、仲介手数料は家賃の50%までしか頂けないんですが、例外があります!残念ながら例外があるんです。

あなたがどーーーーしても仲介手数料を家賃の1ヶ月分(100%)払いたいって言うんなら、もらってあげてもいいけど?(ニヤニヤ)
まぁちょっとこの言い方はムカつくけど、要は、例え仲介手数料100%だったとしても借りる方が納得してるんだったら受領してもいいということです。完全な謎ルールです。
その謎ルールが常態化し、仲介手数料100%が不動産業界の通念となっていました。
それもインターネットが普及するとともに、「本当は50%だけどね」というのが皆さんにバレてしまって、最近では「仲介手数料50%」を宣伝する会社も増えてきましたね。
ミニミニとかエイブルの直営店がそうでしょうか。
それでも未だに「仲介手数料100%」のところも多いですし、特に専任物件(その会社でしか扱っていない物件)はその傾向にあります。

だってうちしか取り扱ってないんだし、安くしてあげる必要ないよね? (ニヤニヤ)
この理由がまかり通ってしまうわけです。
どうしてもこの物件を借りたいんだったら、仲介手数料100%払うことを納得してちょうだいね。
これはもう仕方ありません。1社しか取り扱いがなく、どうしてもその物件を借りたいんだったら仲介手数料100%でも払いましょう。
それでも、もしかしたら交渉に乗ってくれるかもしれません。その物件、あなたの条件にはピッタリで借りたいと思っても、
もしそうなら、例え専任物件でも仲介手数料を値引きしてくれる可能性があります。なので聞くだけ聞いてみましょう!!

(申し訳なさそうに)仲介手数料って…値引きしてくれませんか?
こんな感じに。
絶対に地元の不動産屋で探した方がいい。

絶対に、引っ越し先の地元の不動産屋で部屋探しをしましょう。絶対です。

いいですか?絶対ですよ??
引っ越し先が遠方で、どうしても部屋探しに行けない場合でも、引っ越し先の地元の不動産屋に問い合わせをして下さいね。
違う土地に引っ越しをするなら、
間違っても今いる土地の不動産屋で
部屋探しすることだけはやめましょう!
例えば友達が賃貸の不動産屋にいて、詳しいだろうと思って全然違う土地の部屋探しを依頼するじゃないですか。
もしその友達があなたのためを思うならその部屋探しを断るはずです。
もし全国展開している会社に勤めているのなら、引っ越し先の店舗に紹介だけしてあとはヨロシク、です。

不動産屋に勤めているその友達は、土地が替わればただの木偶の坊ですよ。
隣接した市・街ならギリなんとななるかもしれません。都道府県をまたいだらもうアウトです。いやもちろん、やってやれないことはないでしょう。
四苦八苦しながら部屋探しをしてくれるかもしれません。でもきっと土地勘もないし、知っている業者もいないと思います。
たったそれだけで、仙道と福田のいない陵南みたいなものです。
確かにディフェンスに定評がある池上と、背の高い魚住だけで何とかなることもあるでしょう。でもさすがにオフェンスはボロボロじゃないですか?

それほど、営業マンにとって知らない土地の部屋探しは難しいということです。
絶対に地元の、引っ越し先の不動産屋でお部屋探しをしましょう。
「まとめ」と「あとがき」。
改めて、この5つを知っておいてください。
いざ、初めてお部屋探しをする時にはよく分からないかもしれません。
それでも、ちょっとでも自分で調べてみること、これが大事です。
また、紹介は最大限活用しましょう。

親御さんとか、会社の同僚とか、意外と身近にいる誰かの知り合いに大家さんがいるかもしれませんよ?
大家さん経由の繋がりが一番効果的ですが、細い繋がりでもいいので、友達や知り合いに部屋を借りたことがある人がいれば、「どこの会社で借りたのか」や「誰に担当してもらったのか」を聞きその人を紹介してもらう、それが難しそうならその担当者に直接連絡しちゃうのもアリです。
まともな営業マンなら、借りてくれたお客さんからの紹介や、その繋がりは無下にはしないはずです。
さて5つの「絶対に知っておいてほしいこと」を書いてきましたが、これらも時代にとともに変化していくものだと考えます。

5年後、10年後、20年後、50年後にはどんなお部屋探しをしているでしょうか?
2022年現在は有力なスーモやホームズも、5年後とか10年後にはもう使われていないかもしれません。
20年後には、仲介手数料はどんな理由であれ50%を超える金額を受領した場合は違法になるかもしれません。
50年後の未来を考えたことはないですが、賃貸という業界・概念が大幅に変化している可能性もあります。

こんな時代もあったのぉ。
と、お爺さんになってから、感慨深げにお茶を飲んでいるような気がしています。それはそれで楽しみです。
この記事で書いたように、お部屋探しや賃貸生活は運の要素もかなり強いです。

まさに賃貸ガチャです(笑)
なので、どうせなら楽しんで下さい。
インターネットで検索すると、悪いクチコミや体験談の方が目に付きますよね。確かにクレイジー入居者はいます。クレイジー営業マンもいます。存在します。
でもそれはごく一部のことです。基本的には皆さん良い方で、普通の方ですのでご安心下さい。
もしクレイジーたちと遭遇してどうしても困っている場合はご相談下さい。私の知識と経験を総動員し、仕事のごとくご回答させて頂きます!!

役に立たなかったらごめんなさい(汗)
新しい土地、新しい生活、きっと楽しいことがたくさんあるはずです。
お部屋探しを、賃貸生活をどうぞ楽しんで下さい。素敵なお部屋が見つかることをお祈り申し上げます。
ではまた。
安心して下さい、それが普通のことですからね。