> 【部屋探しの大前提】絶対に知っておいてほしいこと <

【クレイジー大家さん】誰からも相手にされなくなってしまった大家さんのお話し。

私は仲介店で仕事をしております。お部屋探しと言えば…そう、仲介店に行きますね?

 

主な仲介店
  • アパマンショップ
  • センチュリー21
  • エイブル
  • ピタットハウス
  • ホームメイト
  • ミニミニ
  • レオパレス21
  • いい部屋ネット
  • ハウスメイト
  • ハウスコム

 

1つ2つは聞いたことあると思います。

さてここで質問です。

 

だしのり

仲介店のお客さんは誰でしょう?

 

そもそもくん

部屋を探している人じゃないの?

 

その通りなんですが、実はそれだけではないんです。部屋を探している人と同等か、考え方によってはそれ以上のお客さんなのが【大家さん】なんですよ。

貸す側と借りる側は、持ちつ持たれつの関係です。どちらかがいなければ成立しません。

…しかし!

私たち仲介店にとっての商売道具は【物件】です。紹介出来る物件がないと商売が出来ません。そしてそれを所有しているのが大家さんになるわけですから、どうしても大家さん寄りになってしまう傾向にあります。

 

※最近では大家さんと仲介店との間に管理会社が入っていることがほとんどですが、今回のお話しでは割愛。

 

私たち仲介店にとって【大家さん】という人種は、丁重におもてなしをさせて頂くべき対象であり、末永くお付き合いしたいと思う方々であります。

というとても大事な前提をふまえた上で、本題に移りましょう。

 

今回話題となる大家さんは、付き合い自体はそれなりに長いです。大家さん自身で物件の管理をされており、そんなに戸数は多くないですが、空室になる度に募集依頼が来ます。

過去にその物件を客付けしたこともありますが、そもそもの戸数も少ないため、客付けしたといっても2~3回くらいでしょうか。

そのたった2~3回のことなのに、全ての入居者さんと揉めました。

 

  • キッチンの水栓から水漏れしているのに直してくれない。
  • いきなり家賃を上げると言ってきた。
  • 設備であるはずのエアコンが壊れたのに直してくれない。
  • 退去連絡をしたらさっさと退去してくれと言ってきた。
  • 故意過失が全くないのに、敷金を1円も返してくれない。

 

もし、揉めたのが一人だけだったら、たまたまその人とそりが合わなかっただけかもしれないけど、さすがにそれが続くと、やはり大家さんの方を疑いたくなります。

しかし先の前提に書いた通り、仲介店は基本的に、大家さんに嫌われるようなことをしません。入居者さんの <大家さんへの不満> は契約した仲介店へ向かいやすいですから、当然こちらにも入居者さんから相談(クレーム?)があります。が、

 

だしのり

まぁまぁ。

 

と言いながら、何とか事を荒立てないように流していきます。

でも、さすがに「この大家さんはちょっとおかしい?」と認識してしまうと、入居後のクレームが怖くなり(手間で面倒くさいので)、自然と紹介する回数は減っていきます。何なら、極力その物件を決めないようにお客さんを誘導しちゃいます。

ただそういう大家さんに限って、インターネットに自分の物件が掲載されているかどうかを逐一チェックし、掲載されていなければその都度連絡してきたりもします。

 

だしのり

一応は掲載するんですけど、問い合わせがあると正直嫌です。マジで。

 

まぁ何とか紹介・客付けをせず、のらりくらりとその大家さんをかわしていくうちに、時代も変化していきました。

インターネットの発達が大きな要因だと思いますが、入居者が守られるようなガイドラインも出来て、大家さんも今までのような無茶はすんなりと通らなくなってきたんですね。昔から大家業に携わっている方はお分かりだと思いますが、今の時代は本当にやりづらく、金銭的な負担も大きくなってきたと感じているはずです。

そんな折、久しぶりにその大家さんから募集の依頼が来ました。手書きで諸条件が書かれている紙を持ってきて、この通りに募集をしてくれと。

正直嫌だなぁと思いつつ、でもかなり時が経っているから「大家さんも変わったかもしれない!」というささやかな期待をして、諸条件の確認をしました。

昔の記憶を辿りながら、ふと敷金の項目に目が留まります。

 

だしのり

大家さん、昔と違って敷金はもらわなくなったんですね。

 

大家さん

いやそうじゃないよ。募集するときに敷金があると問い合わせが少ないでしょ?だからインターネット上では敷金ナシ、案内するタイミングくらいで敷金2か月くらいで話してくれ。

 

だしのり

(…この人は一体何を言っているんだ?)

いや大家さん、それは虚偽広告です。嘘はダメです。

 

大家さん

そんなことでゴチャゴチャ言ってくる客は断るから。それでも気に入ってくれる良い人を見つけてくれ。

 

なるほど、大家さんはまったく変わっていませんでした。 

この時に私は、「大家さんは大事」という超大事な前提を取っ払い、私の中で、というより、会社として「関わるべきではないただのクレイジーな人」という認識に変わった瞬間でした…。

 

だしのり

大家さん、大変申し訳ないですが、うちでは今後大家さんの物件を紹介することはありません。

入居者を騙すような広告は当然出せないですし、大家さんにとって都合の良い入居者を探したくもありません。

 

大家さん

はぁ?大家である私が紹介させてやるって言ってるんだ。黙って言う通りに募集しとけばいいんだよ。

  

だしのり

(腹立つなこいつ…)

大家さん、お言葉ですが、うちにも紹介するしないを選ぶ権利があります。そして紹介しても大丈夫かどうかを選定する義務もあるんです。

 

大家さん

じゃあなんだ、私を敵に回すってことか?

 

(本当にこう言った!)

 

だしのり

どう捉えて頂いても大丈夫ですよ。うちは二度と紹介しませんので、今後お声がけ頂かなくても結構です。

 

大家さん

…覚えてろよ。言いふらしてやるからなっっ!

  

(本当にこう言ったんです!)

 

何を言いふらすか分かりませんが、その後、特に影響を感じませんでした。そしておそらくどの仲介店にも同じような言い方をしたんでしょう。各仲介店がどう対応したかは知りませんが、インターネットに掲載されることはありませんでした…。

 

良い時代もあったんでしょうね。初期費用が高くても、エアコンなどの設備が付いてなくても常に借り手がいた、儲かった時代。

一度その時代を経験してしまうと、現代のような儲かりにくい大家業は受け入れ難いのかもしれません。

その時代を経験した大家さんでも柔軟なタイプや、世代交代をした比較的若い大家さんであればこの時代でも何とか乗りこなしていけるでしょう。それでも、時代は本当にどんどんと変わっていきます。

最前線で接客をする私たちでさえ、そのスピードに追い付くことは容易ではありません。時代に取り残されれば、物件の行き着く先は「廃墟」です。大家さんの返済が終わっていれば問題ないですが、もしまだ返済途中でしたら、儲かった時代のことは一旦忘れて仲介店や管理会社の意見に耳を傾けてみることをオススメします。

大家さん、どんな時代でも人付き合いなくして賃貸業は成り立ちませんからね。お忘れなきよう。

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