高校や大学までは実家から通学し、社会人になってもとりあえず実家から通勤していた。大学時代には一人暮らしをしていた友達がいて、遊びに行ったときに何となく「いいなぁ楽しそうだなぁ」なんて思ってはいたけど、実家は実家で楽だから無理して一人暮らしをする必要もない。
だけど社会人になり、何やら同僚が一人暮らしを始めたらしい。引っ越しのお祝いがてら新居にお邪魔すると、実家からもってきたであろうテレビ、ちょうど結婚した先輩が買い替えていらなくなった冷蔵庫、リサイクルショップで買ってきた洗濯機と掃除機、ニトリで買ったソファーとカーテン、友達がプレゼントしてくれたという炊飯器…やばい！めっちゃ楽しそう！！自分だけの空間、自分だけの鍵。これは羨ましい…。
お前も一人暮らししてみたら？
お前も一人暮らししてみたら…だと！？
なんてことを言われたら、その気になっちゃいますよね。でもここからまたパターンが分かれます。数日経って現実に戻る場合と、「まぁ何とかなるっしょ」とそのまま勢いで部屋を借りちゃう場合(笑)。現実に戻る場合は、大体が親とか一人暮らしをしたことない友達とかに反対されていることが多いです。
「まだそんなに稼いでないのに…生活出来ないんじゃないの？」
「料理も洗濯も掃除もやらないのに無理でしょ！」
「絶対実家にいた方がお金が貯まるのにもったいなくない？」
女の子の場合は、親が許可してくれないこともありますね。もちろん親心として心配なのも分からなくもないですが、ちょっとかわいそうな気もします。
個人的な意見ではありますが、私は
「一人暮らしは絶対にした方がいい派」
です。何か絶対的な理由があってお金を最優先に貯めなきゃいけない、貯めたいとか、なら話は別です。そうじゃなければ一人暮らしを強く推奨します。なぜなら！
- 責任感が身につく
- 生活スキルが身につく
- 親のありがたみが分かる
- お金の大切さを知れる
- 大人の階段をのぼった気がする
- 自分だけの空間がある
- 何より楽しい
お金は貯まりにくくなりますが、経験というお金では買えないものを得ることが出来ます。
①責任感が身につく
まずは責任感が身につくと書きましたが、生活を全て自分で行わないといけません。朝寝坊せずに起きるのも、食事を用意するのも、洗濯をして干すのも、掃除や後片付けをするのも、ゴミを出すのも、食材を買いに行くのも、そしてお金を払うのも、全て自分です。母親のせいにも出来ません。全てが自分の責任になります。他人のせいに出来ない環境というのは、最初は大変ですけど良いものです。必ず仕事にもプラスになりますし、ひいては人生においてもプラスになることしかありません。
②生活スキルが身につく
そしてそんな環境下で、生活スキルが身につかないはずがありません。いきなり全てが出来ることはないと思いますが、やらなければならない環境ですから、必然的にやるようになるわけです。忙しくて自炊は出来そうもない。だからとりあえず出来合いのものを買ってきたり、外食したりしますよね。そうするとお金がなくなってきますから、自炊せざるを得ない状況になります。自炊をするのには少々の時間が必要になるから、早く帰れるように効率の良い働き方を考えるようになります。休日には普段出来ない料理にチャレンジしてみたり、母親や恋人、同僚に料理の仕方を聞いてみたり、食材が安いスーパーに行ってみたり、いつもしなかったことをすることで、視野が広がっていきます。
③親のありがたみが分かる
一通り家事を経験すると、親のありがたみが分かるはずです。かーちゃんはこの１円にもならない作業を、子どもである自分からあーだこーだ文句を言われながら、何十年も無償でやってくれていたと思うと…どうでしょう？
生活をするというのは結構大変じゃありませんか？自分は自分の生活費だけでいっぱいいっぱいなのに、子どもにかかる費用だったり、マイホームの費用だったり…いや無理だし！オヤジ、スゲーな！！ってなりませんか？
④お金の大切さを知れる
これからはもっと大事にお金を使おう、有意義に使おう、と思うようになるかもしれません。少なくとも実家暮らし通りの生活は出来なくなりますから、お金との付き合い方を考える良いきっかけになるはずです。結婚においても、お金の価値観はとても重要ですからね。結婚相手が実家に依存したら生活スタイルだったらちょっと不安じゃないですか？そういったお金の価値観も養えます。
⑤大人の階段をのぼった気がする
そして一人暮らしをするということは、賃貸借契約を結ぶということです。日々受けているサービスは、有料無料問わず、契約行為の上で成り立っています。グーグルのアカウントを作るのも、インスタグラムを使うのにも、アマゾンプライムの会員になるにも、利用規約があり、同意することで初めてサービスを受けられるわけです。それらは立派な契約行為でしょう（ですよね？）。同じ契約行為ではありますが、賃貸借契約は、何枚かの契約書に署名と捺印が必要になります。宅建士による重要事項説明も対面で聞かなければなりません（最近はＩＴ重説と言ってテレビ電話等で行うことも可能です）。普段の契約行為より、少々重く感じるはずです。もちろん契約行為はただの入り口ではありますが、普段とは違う契約行為を行うことにより、大人の階段をのぼっている気になります。
⑥自分だけの空間がある
アパートやマンション、シェアハウスの場合は集合住宅ですからもちろん他人への配慮は不可欠です。ただそれでも、その部屋の主であることに変わりはありません。自分だけの空間です。全裸で生活することも可能です（カーテンは閉めた方がいいです）。賃貸なので退去時に原状回復の義務はありますが、自分の好きなようにレイアウト出来ます。恋人や友達を親に気兼ねなく呼ぶことが出来ます。あなただけの、自分だけの鍵を持つことが出来るんです。
⑦何より楽しい
生活スタイルをゼロから作り上げていくのって、大変ですけどやっぱり楽しいんです。楽しいんですよね。もちろん人によっては、寂しいと感じる方もいるでしょう。仕事が大変すぎて、まともに生活出来ないという方もいるでしょう。でもそれを経験することで、家族の大切さや、人の温かみを感じられるはずです。初めて料理をして、初めて洗濯をして、初めて恋人が泊まりに来て、初めて一緒に朝を迎える…想像しただけで楽しくなってきませんか？住まいを変えるということは、人生の半分が変わるということです。ぜひ楽しんでください！
もう最高じゃないですか！！いやね、もちろん家族は大好きですよ。でも初めての一人暮らしで部屋探しに来られた方を対応していると、無性に羨ましくなります！
いいなぁ…
というのが、一人暮らしを強く推奨する理由です。今までにない経験を、ぜひ！
もし、”初めての一人暮らし”の一歩を踏み出せずに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、どうぞ遠慮くなくご一報下さい。ガンジーが助走をつけて殴る勢いで背中を押します！！！
ではまた。
仕事も慣れてきてお金も貯まってきたから、そろそろ実家を出て一人暮らしでもしてみよっかなぁ…